不動産クラウドファンディングを基本に、投資についてのお話
お金と資産形成について、休憩時間や通勤時間の暇つぶしになってタメになるコラム
「新NISAを始めてみたけど、不動産クラウドファンディングも気になる…」
「NISAの枠を使い切ったら、次はどこに投資すればいいの?」
「そもそも、この2つってどう違うんだろう?」
新NISAが随分と浸透してきた今だからこそ、改めて考えてみることにしました。
インターネットでの調査によれば、新NISAの口座保有率は、日本の全人口に対して約25〜35%、現役世代(18〜64歳)に限定すると約37〜40%と推計されています。また、年代別では30代の普及率が最も高く、同世代の約3〜4人に1人がすでに口座を開設しているようです。
新NISAと不動産クラウドファンディングは、どちらも「資産を増やすための手段」です。ただ、その性質はまったく違います。
だからこそ、「どちらか一方」ではなく「うまく使い分ける・併用する」という発想が大切になってくるのではないかと思うのです。
今回は、新NISAと不動産クラウドファンディングを、目的・資金・期間という3つの視点から比較して、あなたに合った組み合わせ方を一緒に考えていきます。
「投資の次の一手」を探している方は、ぜひ参考にしてください。
まずは、2つの制度の基本をおさらいしておきましょう。
新NISAは、投資で得た利益が非課税になる、国が用意した制度です。
通常、投資の利益には約20%(20.315%)の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出ても、約2万円は税金で持っていかれる計算です。
ところが、NISA口座を使えば、この税金がゼロになります。
新NISAには、2つの投資枠があります。
2つ合わせて年間360万円、生涯では1,800万円まで非課税で投資できます。しかも、非課税で保有できる期間は無期限。長期の資産形成には、まさにうってつけの制度です。
一方、不動産クラウドファンディングは、ネット経由で複数の投資家からお金を集め、事業者が不動産を運用して、その収益を分配する仕組みです。
1万円程度の少額から始められて、運用はプロに一任します。
運用期間中の価格変動もほとんどなく、淡々と分配金と元本の償還を待つというスタイルです。
ただし注意したいのが税金です。不動産CFの分配金は「雑所得」として扱われ、約20.42%が源泉徴収されます。
そして当然、新NISAの対象にはなりません。ここが、両者を考えるうえで重要なポイントになります。
整理すると、この2つの仕組みは、
こんな感じで、根っこから性質が異なる別物なんです。「どっちが得か」という単純比較ではなく、「それぞれの強みをどう活かすか」で考えるのが正解と考えるべきでしょう。
関連記事:月1万円しか投資できない人の現実的な資産形成プラン|NISA×不動産投資型クラウドファンディング活用術
では、具体的に3つの軸で比べてみましょう。まずは全体像を表で確認します。
比較項目 | 新NISA | 不動産CF |
|---|---|---|
| 税制 | 利益が非課税 | 雑所得として約20.42%課税 |
| 投資先 | 株式・投資信託・REITなど | 実物不動産(プロが運用) |
| 価格変動 | あり(毎日変動) | なし(運用期間中) |
| 流動性 | いつでも売却可 | 運用期間中は原則拘束 |
| 最低投資額 | 数百円〜(商品による) | 1万円〜 |
| 向いている資金 | 長期(老後資金など) | 中期(5〜10年)・分散先 |
※ 2026年5月時点の一般的な情報です。個別の商品・案件により異なります。
いちばん大きな違いは「税金」です。
新NISAは、利益がまるごと非課税で、これは非常に強力なメリットです。
不動産クラウドファンディングの分配金は雑所得として約20.42%が課税されます。たとえば利回り5%の案件でも、税引き後の実質利回りは4%程度に下がる計算です。
「税金だけ見ればNISAの圧勝じゃないか」と思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。
そもそも投資先が違うので、リスクの取り方や値動きの安定性まで含めて考える必要があります。
新NISAで買う株式や投資信託は、日々価格が変動します。
長期的には成長が期待できますが、短期的には大きく下がることもあります。2020年のコロナショックのように、一時的に3割下落なんてことも起こり得ます。
不動産クラウドファンディングは、運用期間中の価格変動がありません。
その代わり、物件価値が想定以上に下がれば、元本割れのリスクがあります(優先劣後構造で一定は守られますが、絶対ではありません)。
「毎日の値動きに一喜一憂したくない」人には不動産クラウドファンディング、「長期でしっかり増やしたい」人にはNISA、という相性が見えてきます。
換金性の高さも大きく違います。
新NISAの商品は、いつでも売却して現金化できます(売却した分の非課税枠は翌年以降に復活します)。急にお金が必要になっても対応できる安心感があるのが強みです。
不動産クラウドファンディングは、運用期間中は原則として途中解約できません。半年〜2年程度、資金が拘束されます。「すぐ使うかもしれないお金」には向きません。
関連記事:新NISAの次にやる投資は?分散効果が高い不動産投資型クラウドファンディングをプロが解説【2025年版】 も一緒にご確認ください。
「で、結局どっちを優先すればいいの?」という疑問に、目的別でお答えします。
20年、30年先の老後資金を作るなら、新NISAが第一候補です。
長期であればあるほど、複利の効果と非課税メリットが最大限に活きてきます。「時間を味方につけられる」お金は、まずNISAのつみたて投資枠で、コツコツ積み立てるのが王道です。
一方、「5年後にまとまったお金が欲しい」「10年以内に使う予定がある」という中期のお金は、不動産クラウドファンディングの出番です。
株式は短中期だと値動きの影響を受けやすく、「使いたいときに下がっていた」というリスクがあります。その点、価格変動のない不動産CFなら、計画的に中期の資産形成ができます。
「NISAはやってるけど、預金に眠っているお金もある」という方には、不動産クラウドファンディングが分散先として最適です。
不動産は株式と異なる値動きをする「オルタナティブ資産」です。景気や金利の変動に対して異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み込むことでリスク分散になります。
NISAで株式・投信、不動産クラウドファンディングで実物不動産、と資産クラスを分けるわけです。
ここが重要なポイントです。新NISAには年間360万円・生涯1,800万円という上限があります。
「毎年枠を使い切っている」「1,800万円を埋めてしまった」という方は、それ以上はNISAで非課税投資できません。
そこで、NISA枠の外の投資先として、不動産クラウドファンディングを活用するわけです。課税はされますが、預金に寝かせておくよりずっと効率的です。
もう少し具体的に、年間で投資に回せる金額別の組み合わせ例を見てみましょう。
まずは新NISAのつみたて投資枠に集中するのがおすすめ。
月8,000円程度でも、コツコツ積み立てれば立派な資産形成です。この段階では、無理に不動産クラウドファンディングに手を広げず、NISAで投資に慣れることを優先しましょう。
NISAをメインにしつつ、一部を不動産クラウドファンディングに回してみる段階です。
NISAで長期の土台を作りながら、不動産クラウドファンディングで「値動きのない中期運用」を体験する。バランスの良い組み合わせです。
ここまで来ると、両方を本格的に併用できます。
NISAで非課税の長期運用をしっかり進めつつ、不動産クラウドファンディングで中期の分散ポートフォリオを組む。「非課税の長期」と「安定の中期」を両輪で回す、理想的な形です。
最後に、2つを併用するときに気をつけたいポイントを3つお伝えします。
新NISAは利益が非課税なので、基本的に確定申告は不要です。一方、不動産クラウドファンディングの分配金は雑所得になります。そのため、給与所得者で年間20万円を超える利益がある場合などは、確定申告が必要になることがあります。
「NISAと同じ感覚で放置していたら、申告漏れだった」とならないよう注意しましょう。
不動産クラウドファンディングは資金が一定期間拘束されます。
NISAと不動産クラウドファンディングの両方に資金を入れる際は、すぐ使えるお金(生活防衛資金)を別に確保しておくことが大前提です。
「投資に回しすぎて、急な出費に対応できない」これは避けたい失敗です。
NISAだから安全、不動産クラウドファンディングだから危険、という単純な話ではありません。どちらも、中身を理解して選ぶことが大切です。
NISAでも、選ぶ商品によってはリスクが高いものもあります。不動産クラウドファンディングでも、案件によってリスクは様々です。「制度」ではなく「中身」を見る目を養いましょう。
新NISAと不動産クラウドファンディング。
この2つは、ライバルではなく、役割の違うパートナーです。
おさらいすると・・・
「老後資金はNISA、中期マネーと分散は不動産クラウドファンディング」
このように目的で使い分ける、あるいは両方を併用することで、あなたの資産形成はぐっと厚みを増します。
特に、「NISAはもう始めている」という方にとって、不動産クラウドファンディングは非課税枠の外側を効率的に運用する、心強い選択肢になります。
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※本記事は、執筆時点(2026年5月)の情報をもとに作成しています。税制・制度・市場環境は今後変更される可能性があります。税務の詳細は税理士・税務署に、投資判断はご自身の責任のもと、最新の情報をご確認ください。