不動産クラウドファンディングを基本に、投資についてのお話
お金と資産形成について、休憩時間や通勤時間の暇つぶしになってタメになるコラム
不動産クラウドファンディングを1〜2件経験して、「なるほど、こういう感じか」とコツをつかんできた方が、次に考えていただきたいのが「分散投資」です。
「1つのファンドに全額入れて、満額当選したらラッキー!」
最初はそれでもいいんです。
ただ、ある程度慣れてきたら、複数のファンドに資金を分けて自分だけのポートフォリオを組むことを考えてみてください。
「ポートフォリオ」なんて聞くと身構えてしまうかもしれませんが、決して難しいことはありません。要するに「お金の置き方を、いくつかに分けて、リスクをならす」ということです。ただそれだけの話です。
今回は、不動産クラウドファンディングでどうやってポートフォリオ分散していくのか。その具体的な作り方を、投資額別の例も交えながら解説していきます。
”次のステップ”に進みたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
まずは、「そもそもなぜ分散するの?」という根本的な部分から押さえておきましょう。
たとえば、手元の100万円を、ある1つのファンドに全額投資したとします。
利回りが年5%なら、運用がうまくいけば手取りで約4万円。悪くないですよね。
でも、もしその1件が運用トラブルに見舞われたらどうでしょう。優先劣後構造があるとはいえ、想定を超える物件価値の下落が起きれば、元本割れのリスクがゼロとは言えません。「全ての卵を1つのカゴに入れる」状態は、いざというとき逃げ場がないんです。
これが、複数のファンドに分けていれば、1件で多少のトラブルがあっても、ほかの案件でカバーできます。
実際、ある試算では「1社に100万円集中投資」よりも「複数社に分散」したほうが、リターンが多いうえに運用失敗リスクも抑えられる、という結果も出ています。
ただし、ここで1つ注意です。
分散すれば分散するほど良い、というわけでもありません。
たとえば100万円を100件に1万円ずつ分けたら、管理が大変なうえに、1件あたりのリターンが小さくなりすぎて「労力に見合わない」状態に。
大切なのは「やみくもに分ける」のではなく「意味のある軸で分ける」ことです。
その「軸」については、次のセクションでチェックしていきましょう。
不動産クラウドファンディングでの分散は、押さえるべき3つの軸があります。この3つを意識するだけで、ぐっとバランスの良いポートフォリオになります。
1つ目は、投資する物件のエリアを分けることです。
日本は地震や台風など、自然災害が多い国です。
もし特定のエリアに集中投資していて、そこで大きな災害が起きたら…と考えると、リスクが一極集中しているのは怖いですよね。
複数のエリアに分けておけば、ある地域で何かあっても、資産全体への影響を抑えられます。
「都心か地方か」の二者択一ではなく、「両方を組み合わせる」のが賢い考え方です。
2つ目は、物件の種類(用途)を分けることです。
物件のタイプによって、リスクとリターンの性質が違います。
「安定の住居型」を軸にしつつ、「利回り狙いの開発型」を少し混ぜる――といった組み合わせ方で、リスクとリターンのバランスを自分好みに調整できます。
3つ目は、運用期間を分けること。これは意外と見落とされがちですが、とても重要です。
不動産クラウドファンディングは、運用期間中は基本的に途中解約ができません。
資金が拘束されるので、全部を長期案件に入れてしまうと、急にお金が必要になったとき動けなくなります。
短期と長期をうまく混ぜることで、「いつでも一部の資金が戻ってくる」状態を作ることができます。これを「時間の分散」と呼びます。
償還のタイミングをずらすことで、資金繰りに柔軟性が生まれます。
さらに余裕があれば、複数の事業者(サービス)を使い分けるのも効果があります。
事業者ごとに、得意なエリアや劣後出資の比率、ファンド組成する不動産の特徴や傾向が異なります。
複数を併用すれば、自然とリスク分散になりますし、人気ファンドの抽選に外れても別のところでチャンスを確保できます。
理屈はわかった。では実際にどう組めばいいのか。投資額別の具体例を見ていきましょう。
投資額が10万円なら、1件3〜5万円で2〜3案件に分けるのが現実的です。例えば、首都圏の住居型(短期)に5万円+地方の住居型(短期)に5万円
まずは「エリアを分ける」「2件以上に分ける」という感覚をつかむことが最大の目的です。
欲張らず、堅実な住居型を中心にポートフォリオを組むのがおすすめです。
投資資金が50万円あれば、3つの軸をしっかり効かせた分散ができます。
このように、エリア・用途・期間を分散させることで、リスクを平準にならしつつ、利回りの良い案件も少し取りに行く、というバランス型のポートフォリオを組むことができます。
資金が100万円を超えてくると、10案件以上に分けて、本格的なポートフォリオ運用ができます。
このゾーンになると、「安定収益のコア部分(住居型・短期中心)」と「リターン追求のサテライト部分(開発型・観光型など)」を分けて考える、いわゆるコア・サテライト戦略も視野に入ってきます。
償還の時期もバラけさせておけば、毎月のように何かしらの案件が満期を迎えて資金が循環していく形を作れます。
ポートフォリオは「一度組んだら終わり」ではありません。
定期的な見直し(リバランス)をすることが大切です。
不動産クラウドファンディングの良いところは、償還のたびに自然とリバランスのタイミングが来ることです。
案件が満期を迎えてお金が償還されたら「次はどのエリア・用途・期間に入れようか??」と考えること。これを繰り返すだけで、あなたのポートフォリオが自然とメンテナンスされていきます。
それとは別に、年に1度くらいは、ポートフォリオ全体を俯瞰してみましょう。
「気づいたら観光型ばかりに偏っていた」「短期案件ばかりで利回りが物足りない」――こうした偏りは、全体を眺めて初めて気づくものです。偏りが見えたら、次の出資先で調整すればOKです。
リバランスといっても、難しく考える必要はありません。
「最近、地方に偏ってきたな」と思ったら、次は首都圏の案件を選ぶ。
「短期ばかりだな」と思ったら、次は少し長めの案件を入れる。
次のファンドで軌道修正をしていくような感覚で十分です。
最後に「分散しているつもりで、実は分散できていない」という、よくありがちな失敗を3つ紹介します。
複数のファンドに投資していても、全部が同じ事業者の、同じエリア・同じ用途だったら、それは本当の意味で分散できていません。
「数だけ分けて中身は同じ」といった状態では、リスクは集中したままです。
中身の違う案件に分けることを意識しましょう。
利回りの高い案件は魅力的ですが、高利回りにはそれ相応のリスクが伴うことは先ほどもお伝えしました。
開発型や観光型など、利回りの高い案件ばかりに出資してしまうと、ポートフォリオ全体のリスクが跳ね上がります。
「高利回りはサテライトとして少量に」この考え方が鉄則です。
「利回りが高いから」と長期案件ばかりに資金を入れると、いざというときに引き出せるお金がゼロになってしまいます。
生活に必要なお金まで拘束されると、急な出費に対応できません。
必ず短期案件も組み込んで、流動性を確保しておきましょう。
不動産クラウドファンディングのポートフォリオづくり、イメージはつかめましたか??
ポイントをおさらいしていきましょう。
分散の軸は①エリア、②物件用途、③運用期間の3つ(+事業者)です。
そして、投資額に応じて案件数を増やし、償還のたびに見直す。
これだけで、あなたのポートフォリオはぐっと安定します。
大切なのは、完璧を目指さないことです。
最初から理想的なポートフォリオは組めません。
1件、2件と増やしながら、少しずつバランスを整えていけばいいんです。
トモタクでは、首都圏から地方、住居型から観光型まで、多彩なエリア・用途・運用期間のファンドをご用意しています。
あなたのポートフォリオの「次の1ピース」を、ぜひ探してみてください。
※本記事は、執筆時点(2026年5月)の情報をもとに作成しています。利回り・市場環境は今後変動する可能性があります。投資判断はご自身の責任のもと、最新の情報をご確認ください。