不動産クラウドファンディングを基本に、投資についてのお話
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不動産クラウドファンディングのファンド商品を検討する際に、必ずと言っていいほど耳にする『劣後出資』というキーワード。
不動産クラウドファンディングへの出資経験がない人にはあまり聞き慣れない言葉ですが、この『劣後出資』の意味はきちんと理解しておいた方がよさそうです。
最初に『劣後』という言葉の意味について説明していきます。
国語辞典を調べると、劣後とは『他よりも劣りおくれること』を意味します。
非常にシンプルな言葉です。
これを投資の世界に置換した場合は、他の出資者よりも”立場が劣った不利な状態”で出資することをいいます。
一方で『劣後出資』と比較して有利な状態で出資することを『優先出資』といいます。
このセクションでは、不動産クラウドファンディングには『優先出資』と『劣後出資』というものが存在する。ということをまずは理解しておきましょう。
『優先出資』と『劣後出資』にはどのような特徴があるのでしょうか。
『劣後出資』について考えるうえでは、まず『優先出資』について理解する必要があります。
『優先出資』とは、一般的に広く利用される出資形態のことを言います。
不動産クラウドファンディングに出資する場合、インターネットからファンドを選択して出資するような投資家は『優先出資者』という扱いになります。
この「優先」という言葉に惑わされがちですが、ここでの「優先」とは、”優先的に出資できる”というような限定的な意味合いではありません。
万が一、当該ファンドの評価額や価値、実績が想定よりも下回ってしまった場合に、『劣後出資者』に対して優先的に配当や出資元金を償還するという意味になります。
『優先出資』とは出資者保護の”度合い”だと理解していただければと思います。
続いて『劣後出資』についてです。
『劣後出資』は不動産クラウドファンディングに出資を検討しているあなたにとって、
この出資形態をとる出資者は、主に不動産クラウド
『劣後出資』とは、匿名組合契約における出資区分のひとつで、そのファンド事業における利益のうち、優先出資者が得られた分配の残りを分配金として受け取ります。
逆に、当該ファンドにおいて損失が出た場合には『優先出資者』よりも先に、その損失を被ることになります。
『劣後出資者』は、”ある意味”においては非常に不利な状況で勝負することになるのです。
『劣後出資比率』については明確な規定はありません。
私自身が、様々な不動産クラウドファンディング事業者が募集しているファンドを見る限りでは、劣後出資区分を10%~30%の範囲で設定しているところが目立ちます。
中には、劣後出資区分のないファンドもあります。そういった商品は、配当利回りを高めに設定していて、配当金額の大きさで還元しようという意識が垣間見えます。
初めて不動産クラウドファンディングへの出資を検討しているあなたの場合は、商品分析力に乏しかったり、投資に関する知識と情報量も薄いと思われますので、一つの目安として『劣後出資』が20%あるかないかで投資判断をされてみてはいかがでしょうか。
不動産クラウドファンディングの事業者が『劣後出資』を採用する理由は大きく分けて3つあります。
『劣後出資』を採用する理由について、一つずつ確認していきます。
「出資者を保護するため」これが『劣後出資』を導入する最大の理由です。
出資総額1,000万円の不動産クラウドファンディングにおいて『劣後出資枠』が20%であれば、200万円は事業者が出資することになります。
この場合は、優先出資者は匿名組合契約で800万円を出資することになるのですが、劣後出資者が200万円を出資することにより、不動産の評価額がマイナス200万円までであれば、優先出資者の元金は100%償還されることになるのです。
配当に関しても基本的な理屈は同じです。
何かの理由でファンドが赤字になった場合でも、それが20%までであれば、配当が減額されるということはありません。
このように、利益や評価が減少しても、優先出資者は劣後出資比率までであれば、損失を被ることはないのです。
出資者保護の観点からも、劣後出資のあるファンドはファンド商品として安全性が高いものだと判断することができます。
この点も不動産クラウドファンディングに『劣後出資』が採用されている理由の一つです。
不動産の評価額は、都心の一等地であれば3年で大きく下落することはほとんどありません。また、各地域のターミナル駅であっても同じです。
様々なファンドを見ていると「随分手厚いな」と感じることがしばしばあります。
これはマーケティングの視点で見ると分かりやすく、他のファンドが劣後出資をしているのに、自分たちのファンドが劣後出資を採用していなければ、投資家に選ばれにくい商品になってしまいます。
不動産クラウドファンディングは、「少額から不動産投資を始めることができる」ということを謳い文句にしてきました。
クラウドファンディングという言葉も同じです。クラウド=群衆・大衆の意味からも、多くの人に出資してもらうことを目的にしています。
ですから、投資に関する知識や情報量も薄い投資家が多く、不動産に関する情報や分析力が備わっているような投資家は稀な存在です。
そうなると、自分たちのファンドに出資してもらうためには、”劣後出資○○%”という目に見えて分かりやすいメリットを提示する必要があります。
これらは、マーケティングの観点から『劣後出資』を導入している典型的な例であり、考え方によっては、必要以上に手厚い出資者保護のための対策が実施されています。
そういった背景を理解すると不動産クラウドファンディングは利回り以上に手堅い投資商品である可能性が高くなります。
不動産クラウドファンディングは、まだ黎明期の真っ只中にいる投資手法です。
今後、市場が成熟していく中で『劣後出資』が採用されていないファンドが当たり前の時代がくるかもしれません。
ですので、黎明期である今だからこそ、あなたには積極的に出資をしていただき、手堅く効率的に資産運用をしていただければと考えています。
3つ目の理由「事業者の利益を高めるため」についてです。
本来の目的と相反するように見えますが、自らが組成したファンドに対して、その事業者が出資するということは、事業者自身も配当を受け取ることになります。
劣後出資比率を高めることに比例して、劣後出資分配額も大きくなります。
つまり、事業者自らが『劣後出資』することにより、組成されたファンドから利益を得ることになります。
そして、その比率が高ければ高いほど、事業者が得られる利益は大きくなるわけです。
『劣後出資』は投資家保護の観点で語られることが多いですが、事業者も当該ファンドに対して出資している以上は、事業者も一般投資家と同様に利益を得ることができるのです。
インカムゲイン型の不動産クラウドファンディングでは、投資家から集めた資金で不動産を購入し運用、募集時に設定した想定利回りを配当を出資者の口座に振り込みます。
運用期間中に不動産を売却できた場合には、契約時にキャピタルゲインに関する規定がなければ、そこで得た利益は全て事業者が受け取ることになります。
実際のファンド運用の世界では、優先出資80%、劣後出資20%で運用していたとしても、それはあくまインカムゲインの話です。
実際に蓋を開けてみれば、不動産売却によって、優先出資分配額と劣後出資分配額が50%ずつになるケースもありますし、売却益次第では分配総額は逆転するようなケースもあり得るのです。
つまり、優先出資者への配当は”出資者募集時に設定した利回りを上限”に分配されますが、劣後出資者への配当は”上限がない”ということなのです。
『劣後出資』比率に注目して投資先を探すことで、また違った視点でファンドを見ることができます。
このように、事業者による”ファンド組成の意図”みたいなものが、なんとなく見えてきます。
一般的な投資商品として知名度や人気が高い株式投資の世界では『劣後出資』という言葉はあまり耳にしません。
不動産クラウドファンディングにおける独特の出資区分になります。
これまで『劣後出資』について説明させていただきました。
今回をきっかけに、不動産クラウドファンディングの商品を別の視点から確認することもできますし、投資に対する興味・関心が高まったのであれば幸いです。
『劣後出資』は目的もなく事業者が出資するものではありません。
事業者の意図を汲み取り、出資を決断するための判断材料にしていただければと思います。
最後になりましたが、この記事をお読みいただき、「役に立った」「友達にもシェアしたい」と思われた方は、SNSなどで拡散していただけると嬉しいです。
それでは、またお会いしましょう。